姫路の森レディースクリニック

【医師監修】人間の神秘 監修:山下衣里子 医師(院長・産婦人科専門医)

コラム

【医師監修】人間の神秘 監修:山下衣里子 医師(院長・産婦人科専門医)

こんにちは。三ノ宮駅前レディースクリニック院長・産婦人科専門医の山下衣里子です。

今回は、「おりものからわかる身体のサイン」について、産婦人科専門医の立場からわかりやすく解説します。

女性の身体は“内”と“外”がつながっている

人間って本当に不思議です。
私は産婦人科医なので婦人科臓器(膣や子宮や卵巣、外陰部)を主に取り扱って医療をし、もう20年以上になりますが、今なお人間の生理反応にワクワクする毎日です。

今日は、皆さんにも還元できる人間の神秘について1つ、少し書きたいと思います。
女性と男性。出産できる生き物か否かの違いはとても大きいです。

妊娠・出産とは、
腹腔の中(肝臓などがあるところ)にある卵巣から飛び出した卵子が、腹腔の外にある卵管にキャッチされ、そのなかで受精卵になり、その受精卵が子宮に届き、そこで育ち、来るべき時に陣痛が起き、外の世界に赤ちゃんを産みおとすことです。

そのため、腹腔の外と中がつながっている臓器をもち、結果外の世界にいるばい菌、雑菌が入ってくるルートがあります。男性は人体の構造上、完璧に腹腔の中と外は隔離されておりこんなルートはありません。

膣が担う“天然のバリア機能”とは

基本は外の世界にたくさんいるばい菌、雑菌。体の中に入ってきてほしくないので、様々な場所にバリア機能が備わっているのですが、女性臓器の中では「膣」がそのバリア機能を果たしています。

膣の中にはデーデルライン桿菌という乳酸を発酵する菌が常在菌としており、膣内を弱酸性にたもつことで外からの菌の侵入や繁殖を防いでいます。
(弱酸性ビオレ♪♪♪、というCMがあるように、菌は酸性に弱いので殺菌効果があります)

ただ一点、妊娠を考えるタイミング、いわゆる排卵の前後の時期は逆に精子が弱ることなく到達してほしいので、その期間だけ、おりものの性状は粘調で弱アルカリ性に変化します。

なので、おりもののトラブルは、
いかに雑菌が繁殖しがたい環境を整えるか
デーデルライン桿菌がたくさんいる環境が作れるか
が、影響してきます。

“洗いすぎ”がトラブルを招くことも

そのうえで、外来でもよく相談を受けるのが膣専用ソープ。
調べてみたのですが、弱酸性なので菌を殺菌する効果がある、そして酸に強いデーデルライン桿菌には影響がない、ということをベースに開発されたようです。

ですが、しっかり洗うことで、今一時的に、膣内に雑菌がいたとしてそれらは殺菌されますが、デーデルライン桿菌は殺菌はされずとも物理的に流されるので、その後の酸性状態を継続して保つことができず、トラブルが結果起きている印象があります。

膣の本来の役割を守る。これが結果トラブル回避につながります。

なんとなく、おりものが多い、かゆい、においがするとき。
しっかり洗ってないからトラブルが起きてるのか?という心理で、しっかり洗ってます、何なら膣の中までちゃんと専用ソープで洗ってます!といわれる方が多いのですが、一度この機会に膣本来の機能が存分に発揮する環境をいかに作るかに目を向けていただけたらいいなと思います。

外来で個々に相談がありましたらお伝え出来ていけたらいいなと思いますので、いつでも三ノ宮駅前レディースクリニックでお待ちしていますね。

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山下衣里子 医師
三ノ宮駅前レディースクリニック院長
産婦人科専門医